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Fig-6. Result soil improvement for backfill soil.

5. おわりに
(1)神戸港緊急コンテナ埠頭は阪神淡路復興委員会の緊急提言を受け、半年という短期間で完成させ完全復旧までの間の神戸港のコンテナ取扱能力を補完して、神戸港の空洞化を防止する目的で計画された。
(2)通常の施工方法では2ヶ年程度を要する工事を半年で完了するため岸壁の設計施工で種々の創意工夫をしている。緊急コンテナ埠頭の構造は被災変形した既設のケーソン岸壁を桟橋背後の土留め壁として活用し、その前面に桟橋を築造する構造とした。
工程をできるだけ短縮するため鋼管杭打込みの現地作業と並行的に行える工法として桟上部工、陸側クレーン基礎及びPCホロー桁をすべてプレキャスト化し、さらに据付け回数を減らすため可能な限り大型化した。現地工程の短縮のため陸側の鋼管杭は打設時の抵抗を減らすため爪のない連続鋼管杭方式を採用した。
(3)神戸港の復興のさきがけとして貨物取扱量の回復だけでなく、神戸港復興のシンボルとして緊急コンテナ埠頭のはたした意義は大きい。現在、神戸港のコンテナバースは震災前には21バースが機能していたうち、9バースが機能している。この中にはポートアイランド二期地区に整備した日本初の-15m岸壁2バースも含まれており、神戸港には確実に完全復興へ近づいている。しかし、応急復旧することで使える岸壁はすべて利用、運用し、貨物取扱量が90%まで戻っている現状であり、神戸港の復旧が終わったと言うわけではない。神戸港がわが国最大の国際貿易港として完全復興するためさらに努力しなければならない。

 

 

 

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